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人に愛されるコツを考えてみた

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みなさんは「男はつらいよ」をご覧になったことはあるだろうか。渥美清さん演じる主人公の車寅次郎こと寅さんは、テキ屋家業を生業に日本各地を転々と旅するその日暮らしの男。風に任せて夏は北へ冬は南へ気の向くままに暮らしている。フラっと実家に帰ってきては好き放題に振る舞って、最後は恋した女性に振られてまた旅に出て行く。そんなお金はなくて気難しい寅さんの行動にいつも周りが振り回されるというのがお決まりのパターン。普通の感覚なら視聴者だってうんざりするような男だが、何故か気がつくといつも誰かが「寅さん、早く帰ってこないかな」と呟いている。そんな魅力たっぷりの寅さんが筆者は大好きだ。

 

この山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズは松竹のドル箱映画となり出せば当たるというメガヒットシリーズとなった。シリーズは渥美さんが実際に出演する48作と、吉岡秀隆さん演じる甥の満男が中心となる特別編、さらには寅さんとの思い出を綴った2019年公開の最新作で全50作を数える。シリーズ1作目の公開された年が1969年であることを考えると実に半世紀に渡って多くの方に支持され、愛されてきた映画であるといえるだろう。では、なぜそこまで私たちは寅さんに魅了されるのだろうか。本日は寅さんを通して人に愛される人とはどういう人かを考えてみた。

 

寅さんの魅力① お節介

 

居酒屋で持ち合わせのない老人の勘定を肩代わりするのは当たり前。その老人に帰る家がないと察すれば家に来いと言って数日泊めさせてあげるのが寅さんだ。沼津駅の交番で泣いている女の子が知的障害を持っているとわかれば居ても立っても居られずに割り込んでいく。青森に帰りたいと泣く女の子に、もし道に迷ったら柴又の家に行くよう命じるも、気になって仕方がなくて翌日自分が柴又に帰ってきてしまうほどのお人好し。

良いことをするのに理由はいらない。分かっているけど行動に起こすのには少し勇気がいる。誰にでもできるけど誰にも出来ないお節介。これを躊躇なくやってしまう寅さんが愛されるのは当然かもしれない。

 

寅さんの魅力② 哲学

 

寅さんは中卒で、さらに16歳で家を飛び出してから日本各地を転々とする生活を送っている。勉強も得意ではない。しかし、「愛って何?」と聞かれれば「ああ、この人いいなぁと思う。もっとこの人と話がしたいなぁって思う。そして、この人を守りたいなぁって思う。それが愛なんじゃないのか?」と答え、「なんで勉強するの?」と聞かれれば「俺みたいに勉強をしてこなかったやつは人生の大切なところで運に任せて生きることしかできない。でも、勉強したやつは違う。しっかりと考えることが出来るんだ。だから勉強をするんじゃないのか?」と答える。寅さんの人生哲学は本から手に入れたものではない。しかし、だからこそ人を励ましたり人に勇気を与えたりすることが出来るのではないだろうか。本を読むことは大切だが、自分の哲学を持つことはもっと大切だ。相手が「あなたはどう思う?」と聞いてきたとき、相手はあなたの意見を聞いているのだ。自分の考えを自分の言葉で伝えられる人は愛されるに決まっている。つまり、そんな自分の哲学を持っている寅さんが人に好かれないはずがないのだ。

ちなみに筆者は悩む満男に「美しい恋をしなさい」とアドバイスをするシーンが大好きだ。

 

 

寅さんの魅力③ 感受性

 

美しい恋をしていれば飯なんて食わなくったって大丈夫と考える程の純粋さを持つ寅さんは困っている人や立場の弱い人たちに対して底抜けに優しい。人の心の変化にとても機敏なのだ。

スナックやキャバレーを転々としながらどうにか暮らしているリリー松岡という歌手と仲良くなった寅さんは、明るく気丈に振る舞うリリーが不憫でならない。そんなリリーへの想いを妹の桜に以下のように述べる。

「お金があったら、リリーの夢を叶えてやりたいな。例えばどっか一流の劇場を貸し切って、あいつに歌いたいだけ歌わせてやるんだ。場内がスーッと暗くなる。どんちょうが上がる。そこに真っ白なドレスを着たリリーが立っているんだ。あいつは綺麗だからみんなどよめくよ。そんな中であいつは歌い出すんだ。あいつの歌は悲しいからみんな泣くよ。やがて歌い終わって客は拍手喝采だ・・・。あいつはきっと泣くなぁ。あの大きな目に涙が一杯たまってよ。いくら気の強いあいつだってきっと泣くよ」

お金があったら誰かのために使ってやりたい。」シンプルだけど寅さんの優しさがギュッと詰まった台詞だ。困っている人、悲しんでいる人の心に寄り添ってものを考えることができるところが寅さんの最大の魅力なのかもしれない。

 

お勧めの作品

 

どれも面白いけれど、50作もあってどこから手をつけたらいいか分からないという方のために筆者のお勧め3作品を紹介する。

 

①シリーズ15作「寅次郎相合傘」

上記のリリーが登場する回

 

②シリーズ9作「柴又幕情」

吉永小百合さんがとにかく綺麗な回

 

③シリーズ32作「口笛を吹く寅次郎」

竹下景子さんが登場。48作の中で唯一寅さんが告白される。その時の寅さんの対応の仕方が切ない1作。

 

ぜひ、まだ「男はつらいよ」をみたことのない方は、時間のあるときに1作見てみてください。ほっこりすること間違いなしですよ!!

 

では、今日はここまで!!

またね!!