英語の時間と休み時間

ちょこっとタメになる独り言

「The」を捨てる勇気が必要?自分の感覚を信じて言っちゃえばいいじゃない!

[the] や [a] の考えは日本語に無い感覚だから、どうすればいいのかとても悩みます。以前のブログでも紹介したのですが、[ I ate a chicken last night.] という英文を書くと「昨夜、一羽丸ごとチキンを食べた」という意味になってしまい、とても不自然な英文になってしまいます。だから「昨夜、鶏肉を食べた」と言いたいときは[ I ate chicken last night.] と無冠詞で書かなければならないのです。

[a] は「一つ丸ごと」の意識を持つことが大切だとアメリカ人の友人は言っておりました。だから、逆に [I have dog.] と書くと少し恐ろしいイメージがわくのですね。「犬の肉を食べた?」みたいに。(ただ、これに関してアメリカ人の友人はそんなことはないと笑っていました笑。というか、アメリカ人もイギリス人も誰でも人間ですから、そんな些細な文法の間違いでおかしな想像をすると考える方がそもそもおかしいですよね。また、アメリカ人の友人に [I ate a chicken last night.] の話をしたとき、男の人なら[a chicken] を食べてしまう人もいるからそれはそれで成立すると言っていましたね笑)

数えられる名詞の前には [a] や [the] を置くというように学校で習うので筆者も含めて多くの日本人が不要な [the] をつけまくってしまいます。マーク・ピーターセン先生が言うには、日本人の英作文を添削するとその半分近くの文章に不要な[the] がついているとのことです。

 

先生によると [the] を付けた方が英文らしくなるという馬鹿馬鹿しい意識を日本人が持っていることが大きな原因であるというのだけれど、耳が痛いですね。本当にその通りだと思いました。

 

この [the] の根本にある意識は「共通認識」であるということ。ここを強く意識するだけで [the] 問題は少し改善するのではないでしょうか。また「純粋不可算名詞」というものの数は本当に少なくて、ほとんどの「不可算名詞」とよばれるものは場合によって「可算」になると考えて良いのです。だから英文を書くときにはもっと自分の感じ方を信じても良いのではないでしょうか。 [a] は「1つ丸ごと」、[the] は「共通認識」と。

と言っても、 [the] や [a] は奥が深すぎて一朝一夕に理解するなんて無理ですね。私もよく分かりません。マーク・ピーターセン先生も、「日本人は [the] の普遍的な使い方を知りたがるが、言葉はそんなに甘くない」と述べているくらいなので、そんな簡単に片づけられるものではないです。

ただ、本日読んだマーク・ピーターセン先生の『続日本人の英語』に、[the] 問題がすべて解決する魔法の教えにはならないけれど、面白いと思う事例が書かれていたので紹介したいと思います。

オードリ・ヘップバーン主演の『マイ・フェア・レディ』という作品の中で主人公のイライザ(オードリ・ヘップバーン)が 発音矯正として [the rain in Spain] という歌を歌わされるのですが、ここでなぜ [rain] に [the] が付くのかということを著書の中で説明されています。とても面白かったです。

要約すると以下のような感じになります。

[rain] は無冠詞で書くのが一般的です。だから、[rain in Spain] が普通です。これで普通の「スペインに降る雨」になります。だから無難に書くならこれで十分です。

では [a rain in spain] はどうなるのでしょうか。
答えは「色々な種類の雨がある中で、その時に降ったスペインの雨」のニュアンスが出るそうです。つまり、雨の種類を意識した表現ですね。

では、映画の本編で歌われる [the rain in Spain] だとどうなるのでしょうか。
答えは「色々な場所で降る雨はあるけれど、スペインで降る雨は・・・」と他の地域で降る雨は知らないけれど「スペインで降る雨は」の部分が強調されるのだそうです。

こんな冠詞一つで、そこまで英文の違いを感じられるような感覚が身に着くまでどれくらいの時間がかかるのだろうか・・・。いや、一生かかっても手に入れられないかもしれないですね。

また、著書の中では、他にも [ Why can't the English teach their children how to speak English.] 「なぜ、イギリス人は自分の子どもたちに英語の話し方を教えようとしないのか」という [the English] と [ English people] の違いにも言及しているのが面白かったです。

要約すると以下の感じです。

この [the] は愚かさの前提・没個性があるのだそうです。だから、[the English] というのと [English people] というのでは、訳せば同じ「イギリス人」なのだけれど、その根底にある意識はだいぶ変わってくるのだそうです。[the English] には「イギリス人といったらこうだよね」という侮蔑的な意味、「個の存在が認められない・イギリス人はみんなそうだよね」という感情が込められてるのです。

だから、もし英字新聞などで[ the Japanese] と書かれている時は、少し覚悟しなければいけないのかもしれませんね笑。

結論として何が言いたかったかというと、私たち日本人の英文には不要な [the] が多すぎるという問題があること、名詞の前には [a] や [the] を必ず置かなければいけないという強迫観念をときに捨てることも必要だということです。

では、今日はここまで!!
またね!!