英語の時間と休み時間

ちょこっとタメになる独り言

今までやり過ごしていた英文法の疑問に答えてくれる1冊

筆者を含め多くの日本人が「数えられる名詞には a/an をつけて、[1つの] を表すんだよ」「2回目に登場して来た時に a /an は the に変わるんだよ」と教わる。しかし、本当にそんなに単純なことなのだろうか?数年前まで働いていた英会話教室で数名の方から[the] の使い方が良く分からないという質問を受けたことがあるが、忙しかったこともあり、ずっと「[the] は共通認識です。」くらいでやり過ごしていた。

なんとなく気にもせずに流してきた「冠詞」の疑問だったが、何か良い解答はないかと本屋を物色したところマーク・ピーターセンさんの『日本人の英語』という著書に興味深い答えが書いてあった。

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細かいことは著作権の問題などもあるので紹介はできないが、一例をあげると以下のようなことが書かれている。

「I ate a chicken. と表記するとネイティブは血まみれになりながら一羽の鶏を私が食べたというイメージをもつことになる。つまり、「[ a ] はアクセサリーではなく、むしろ[a] の方に重要な意味が含まれているのだ。」(かなり要約してる)
「名詞に[a]をつけるという考え方は、実際には英語の世界には存在しない」

さらに本書では「不定冠詞や定冠詞」に関する疑問だけではなく、「前置詞」や「時制」に関することなど多くの方が「なんとなくでやり過ごしていた疑問」にユーモアを交えてある程度の解答を出してくれている。(もちろん、言葉の成り立ちを考えれば絶対的な文法など存在しないと筆者は思っているし、もしあるとしても1冊の本でまとめられるほど単純な訳がないので、この1冊で全てがクリアになる訳ではない)

他にも、たとえば「鶴は双眼鏡で観察された」を英訳するとどうなるだろうか。きっと多くの方が [ The cranes were observed by binoculars.] なのか [ The cranes were observed with binoculars.] なのか、つまり「手段のby」で表すのか「道具のwith」で表すのかで悩むのではないだろうか。どちらでも良いのではないかと思うかもしれないが、本書は納得がいく形でこのような疑問に対する解答も示してくれている。

英語の初心者の方や、英検やtoeicのテスト対策を第一に考えている方にはあまりお勧めできないが、「今まで何となくやり過ごしてきた細かい英文法」や「そうだと教えられてきたけど納得がいかない英文法」に関して知りたいという方にはお勧めの一冊だ。

では、今日はここまで。

またね!!