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ちょこっとタメになる独り言

正月休みにお薦めの本

もう既にお正月休みでゆっくりされている方も多いと思います。今年も昨年同様にコロナの影響が大きくて大半の方が年末年始を家で過ごされるのではないでしょうか。テレビをのんびりと見るのも良いですが、僕のように38回も年末年始を迎えると何だかどれも毎年同じことばかりをやっているような気がして、最近はこの時期のテレビにもあまり心が躍りません。先日は紅白歌合戦が終わるかもしれないという記事も読みました。やはり、僕と同じように感じている人がたくさんいるということではないでしょうか。

 

そこで、この年末年始は本を読んで過ごそうと考えられている方に、正月休みに最適な本を3冊紹介しようと思います。何を読んだらよいのか分からないという方は是非参考にしてみて下さい。

 

ここで、年末年始に読む本として最適であるとする理由はシンプルに2つです。1つは「短さ」で、もう1つは「面白さ」です。

 

やることがないと言っても年末年始は何かと忙しくなってしまうものです。ゆっくり本を読んで過ごそうとしてもなかなか300ページを超えるような本を一気に読み切ることは難しいものです。さらに正月明けはまた仕事で忙しくなり、最終的に半分くらい残したまま本棚にしまわれてしまうというオチが付いてしまうことも珍しくありません。

本日紹介する3冊は1冊としたら短いとは言い切れないですが、どれも短編として魅力的なものになっています。ぜひ参考にしてみて下さい。

 

 

『猛スピードで母は』 長嶋有

 

小学6年生の慎とシングルマザーとして奮闘する母親の物語です。小学生とシングルマザーという組み合わせから何となく物悲しいストーリーを想像されてしまうかもしれませんが、そういった寂しさからは全く逆の位置、つまり爽やかに前向きに物語は終わります。きっと描き方次第で悲しいストーリーにもなるのでしょうが、猛スピードで車を運転する母親の直面する問題に力強く立ち向かう姿勢が悲壮感を一掃してくれているのだと思います。(本当は「力強く」ではないのかもしれませんが)この本を初めて読んだのが今から20年ほど前で、その時は小学6年生の慎の視点で物語を追っていました。したがって、この母親の凄さに気づけないことも多々ありましたが、この母親と同年代になった今読み返すと母親の視点から物語を楽しむこともできます。20年前は気付かなかった部分で心が痛むところもあり、共感できるところもあります。

 

ページ数は100ページ超と2時間もあれば読み切れてしまうくらいの長さです。同じくらいのページ数で『サイドカーに犬』という短編も収録されているので正月休みに読む本としては最適だと思います。

 

 

寺内貫太郎一家』 向田邦子

 

言わずと知れた脚本家である向田邦子さんの傑作小説です。小林亜星さん主演のテレビドラマとして今から50年くらい前にTBSで放送されていました。体のでかい頑固おやじがすぐにカッとなって女房を子どもを張り倒すという、この時代に放送したら大問題になってしまうような内容なのですが、そんな頑固おやじが誰よりも人情に厚く涙もろいという設定が視聴者や読者を惹きつけます。笑わせて泣かすというのはずるいですね。爆笑問題の太田さんが絶賛する向田邦子さんの作品はどれも読みやすく面白いのですが、『寺内貫太郎一家』はそのなかでも抜群に面白いです。1話完結なのでどこから読んでも、どこで終わっても面白いというのがとても手軽で良いと思います。

 

 

『モッキンポット師の後始末』 井上ひさし

 

フランス文学を教えるフランス人の大学教授モッキンポット先生は、初めて習った日本語の先生が関西弁だったという理由で流暢な関西弁を話します。そこだけで既に面白いのですが、その教授のもとにやってきた貧しい学生たちとのドタバタ騒動は痛快で、それぞれの話にしっかりとオチが付いているところもオススメポイントです。浅草のフランス座でアルバイトをすることになった主人公の「ぼく」が、モッキンポット先生に交通費を借りにいくシーンは笑えます。当時の浅草にあるフランス座というのは名称とはかけ離れた、いわゆる「ストリップ小屋」なのですが、モッキンポット先生はそんなことを知らないので「フランス座」を国立劇場のような場所だと勘違いし大喜びをします。ところがそんな自慢の学生が働く「フランス座」を見学しに行くということになりドタバタが始まります。このようなストーリーが5つ詰め込まれている小説です。

1つの話が約40ページくらいですので、1時間かからないくらいで手軽に読めると思います。

 

 

最後に

 

どこにも行く予定が無くテレビもなんとなく面白くないなと感じたのなら、年末年始は少し本でも読んでみませんか?普段本なんてあまり読まないから何を読んでいいのか分からない。あまり分厚い本は気が重たい。そんな方はぜひこの3冊を検討してみて下さい。ブログを読んで下さった皆様が、よい年末年始を過ごせることを心から祈っています。

 

では、今日はここまで!!

またね!!