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子供の能力を高める3つの勉強方

受験直前のこの時期はいつも時計を片手に「あと30分」「あと10分」「あと5分」などと声をかけ、問題を解けきれなかった子供に対しては、もっと上手に時間配分をしなさいとアドバイスをする。当然子供たちが入試で求められている能力は50分の中でより多くの正解を出せる力だからだ。

 

もちろん、この受験制度には賛否両論があるけれど、筆者は決められた時間の中でどれだけ質の良いパフォーマンスを見せられるかは、会社で働く上でかなり重要な要素であると考えているので、この時間を上手く使ってより多くの問題を解いていくというやり方は間違ってはいないと思っている。

 

しかし、その一方で速く問題を解かせることで子供の能力が高まっていくとは思わない。速く問題を解くということは一種のテクニックや訓練の賜物であり、その練習をすることはその子の能力を高めるトレーニングではないからだ。

 

 

そこで本日は、筆者が思う子供の能力を高める勉強法を3つ紹介したい。

 

目次

 

[1つの問題をとことん考える]

 

計算のような単純な作業は絶対に質よりも量である。計算は問題を解いた分だけ速く正確に解けるようになる。しかし、子供の思考力を高めることに主眼を置くなら、1時間の授業で難しい問題を1問もしくは2問をひたすら考えさせた方が効果的である。

 

解ける問題をいくら解いても能力は高まらない。思考力が高まるとは少し解けない問題が解けるようになることをいう。したがって、少し乱暴な言い方かもしれないが、頭の中で解法がパッと浮かぶ問題は解かなくてもいい。そんな問題をいちいち解くのは時間の無駄である。一目見ただけでは解法は浮かばないが、頑張れば解けるかもしれないという問題を20分、30分と自分なりに一生懸命考えることが重要だ。(1番良いのは解き方の説明はせず、授業後も1人でその問題を頭の中で考え続けることだけれど、そこまでする子は経験上滅多にいない)

 

問題を見た瞬間に子供の手がすぐに動くようなら、そんな問題はその子にとっては時間の無駄なので、他の問題をやるよう促した方が絶対に効率的である。

 

 

[時間をおいた後に同じような問題を解かせる]

 

これは同じ問題でも構わないのだが、ある程度の時間をおいた後に同系の問題を解かせることでしっかりと力が定着する。今まで解けなかった問題が解けるようになるのはこの瞬間である。解けなかった問題が解けるようになると新しい視点が生まれてくるので、そこでまた新たに挑戦できる問題が出てくるのだ。子供の能力はその地道な繰り返しによって高まっていく。

 

 

[簡単にヒントを出さない・解き方を教えない]

 

筆者は、ずっと「より良い授業」をすれば子供の力は伸びると考えていた。これは若い講師が陥りやすい間違った考えである。勿論、解説をするときに何を言っているのか分からない講師は生徒から嫌われるだけではなく、生徒の為にもならない。しかし、本当に最悪な授業は、その問題に向き合っているのが生徒ではない授業、つまり気が付いたら講師が一生懸命になって問題を解いているという授業だ。

 

筆者も若い頃はそうだったので人のことをとやかく言えないけれど、この年になってはっきりしていることは1つある。それは「ホワイトボードを使って、どんな一流の講師がどんなに一生懸命教えても、その生徒がその問題に対して一生懸命自分なりにアプローチをしていない場合、および問題の解説後に生徒が自分でその問題を解くことをしなければ絶対に生徒はその問題が解けるようにはならないということ」である。

 

とある塾は授業をしないことを売りにしているし、とある塾は講師の質の高さを謳っている。どちらの言い分もよくわかるが、筆者はその中間が良いと思っている。

 

したがって、もし家庭で子供が問題を見た瞬間に「わからない」とすぐに口にしたとしても「頑張って取り組みなさい」と突き放すことが大切だ。間違っても「どれどれ」なんて簡単に手をさしのべたりしないこと。それで問題が解けたとしてもそれは子供ではなく「あなた」が問題を解いているだけのことなのだから、絶対に子供の能力は高まらない。これは断言できる。

 

しかし、ここで大切なことは、先にも述べたとおり「その生徒にとって少しだけ難しい問題を解かせること」である。手も足も出ないような問題を子供に放り投げるだけ放り投げて、「解けるまで考えなさい!」というのもまた子供のやる気をそぐ原因になるので絶対にしてはいけない。そう考えると結局、子供の能力を高めるために最も大切なことは、その子供の力をよく見極める大人の側にあるのかもしれない。

 

 

[まとめ]

 

・量よりも質にこだわって問題を解くことが大切

・その子供にとって少し難しい問題を解かせることが大切

・時間をあけた後に同じ問題を解かせることが大切

・簡単にヒントを出したり一緒に解いたりしないことが大切

・問題の解き方を教えた後は、必ず自分一人の力で解き直しをさせることが大切

 

 

これは、算数の問題だけではなく思考力が問われる国語や英語でも同じことが言えると思う。少しでも家庭学習の参考にしてもらえたら嬉しい。

 

では、今日はここまで!!

またね!!