ショートショートのお勧め 「きまぐれロボット」
ショートショートが流行っています。
時間のない方でも手軽に読めることが人気の秘密なのかもしれませんね。
今日は、そんなショートショートの元祖に迫っていきたいと思います。
『きまぐれロボット』
星 新一 作
和田 誠 絵
目次
[作者紹介]
「ショートショートの神様」と呼ばれ、2013年より日本経済新聞社により「星新一賞」が創設される。理系的な発想に基づく優れたショートショート及び短編小説が受賞対象となり、2021年は村上岳さんの「繭子」が受賞した。
1997年没。享年71歳だった。
[読書感想文]
本作には、1話5ページ前後のショートショートが31話収録されている。
「夢をコントロールできる薬」や「何もしないロボット」「発熱する薬」などユニークで面白そうなアイディアがそれぞれの話に登場するが、大半の結末はその発明を利用する人間の愚かさを表現したものである。愚かな人間によりどのような結末が待っているのかを想像しながら読むとページを繰る指が止まらなくなる。
「どんな大きな音も吸収する機械」を作った「エス」は、深夜強盗に入ることを決意する。窓を大きな音で壊そうが、金庫にドリルで穴をあけようが音はいっさい漏れない。いい気になっていた「エス」だが、その建物は窓ガラスが割れたら警報機が鳴る仕組みになっていた。大きな音で警報機がなろうとも、パトカーのサイレンが鳴り響いこうとも、「エス」が現場から逃げなかったことに警察は驚くばかりだった。
文字は大きくて児童図書の部類に入るのだろうが、中身は大人が読んでも楽しめるほど皮肉で深いメッセージが込められている。
1話が5分ほどで読める作品なので本当に忙しくても、隙間時間を利用していくらでも読めてしまう。大人の暇つぶしにはもってこいの作品である。
[英語でも読める]
「きまぐれロボット」は講談社の英語文庫から英訳されたバージョンも発売されている。ただし、日本語では平易な内容でも英訳された「きまぐれロボット」はかなり難易度が高めなので英語初級者の方には向かない。英語中級者から上級者は1度原作を読んだ上で購入することをお勧めする。
[まとめ]
・ショートショートの名作(1話5ページ前後)
・1話5分ほどで読めるので暇つぶしには最適
・全ての話がしっかりと落ちがあるので面白い
・英語版もある
では、今日はここまで!!
またね!!